スワンの魅力

スワンは、高校1年生の聖真澄が挫折と成功を繰り返しながら、プリマバレリーナになるまでのバレエストーリー。 

ただバレエが好きなだけだった女の子が、バレエとは何か、踊るということは何なのか、何のために自分は踊るのか、自問自答を繰り返し、悩み苦しみ、泣きながらも歯を食いしばり、目の前の障害から逃げることなく自分の夢をかなえる。彼女の成功の影には、つねに真澄を見守り熱心に指導を続けていく師があり、たくさんのライバルが現れ、常にあたたかく見守る親や友人がいる。 『SWAN(スワン)白鳥』は夢に向かってひたすら頑張ることも大切だけど、支えてくれる人があってこそ人は頑張れるのだと教えてくれる。

物語の途中、真澄のバレエの舞台はアメリカに移る。 現代バレエともいうべきアメリカのバランシンの元に行き、クラシックバレエにどっぷり染まっていた真澄が、バランシンが演じられずに苦しむあたりは、ひとくちにバレエといっても非常に奥が深い芸術だということがわかる。 

同じピアノという楽器を使っていても、ソナタを弾くのとジャズピアノを弾くのではテクニックが異なる…それと同じようなこと、と言ったらわかりやすいかな。 同じバレエというものを土台にしていても、クラシックと現代バレエでは異なる点がいろいろある。 

似ていて非なるものだが、それぞれの特徴をわかりやすくスワンでは伝えている。 「一粒で二度おいしい」というコピーが数十年間にあったが、そんなバレエ漫画だ。

さらに有名なバレエ作品が多数登場している。 美しい絵と共に詳しいバレエ解説がついているのを読むと、まるで劇場に見に行っているような気分になる。 実在の人物、バレエ団も登場し、バレエのテクニック解説もあり、バレエを知らなくても、読み終わる頃にはバレエ通になることだろう。 ただ、人物の場合は、スワンが描かれたのは30年前なので、今活躍中の人とは異なるが…

それから、パートナーというのがスワンではよく出てくるが、一緒に踊る相手によってバレエ人生が変るらしく、それだけバレエダンサーには一緒に踊る相手というのは大事なことらしい。 そんな点にまで話を広げていてくれているのが嬉しい。 

有名な話では、スワンにも出てくるがイギリスロイヤルバレエ団のプリマで世界的なバレリーナだったマーゴット・フォンティーン(すでに他界している)は40歳を超えて引退を考えたことがあるらしい。 ソ連から亡命してきたルドルフ・ヌレエフがロイヤルバレエ団にやってきて彼女のパートナーになったことで、彼女はずっと第一線で踊り続けることができたということだ。 現に、フォンティーンへの評価はヌレエフと踊ってからの方が高くなった。 それくらい、パトーナー選びがバレエダンサーにとって重要なことらしい。 

物語の最終に向かって、バレエというよりも、生きることとは? 人を愛することとは? ちょっぴり哲学的になってくるスワン。 真澄という人間が成長して変化するように、スワンという漫画もさまざまに姿を変えて、長い間読者を魅了し続けてきた。

ざっとスワンの魅力をあげてみましたが、読む人によって感じ方やとらえかたも違うでしょう。 あくまでも管理人の個人的な所感です。

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